Spring Bootを使った開発で何よりも「すっげぇ~」と思うのは、データベース関係でしょう。Javaでデータベースアクセスをしたことがあれば、誰しもまともにデータベースを使えるようにするためにどれだけ面倒くさい作業をしなければならないか、よくわかっているはずです。それがSpring Bootでは、信じられないほどに簡単に行えるようになるのです。
Spring Bootでは、「
JPA」を利用したデータベースアクセスを行います。
JPAは、
Java Persistence APIのことで、Javaに用意されている永続化のためのライブラリですね。JPAを利用することで、
ORM(
Object Relational Mapping、データベースのレコードとJavaのオブジェクトをマッピングし、オブジェクトとしてデータを扱えるようにするもの)を利用したJavaらしいコーディングが可能となります。
では、データベース利用の準備を行いましょう。前回まで作成したプロジェクトをそのまま改造していきます。――まずは必要なライブラリの追加です。
pom.xmlファイルを開き、
<dependencies>タグ内に、下のリスト欄にあるテキストを追記しましょう。今回追加したのは、以下の2つのライブラリです。
●spring-boot-starter-data-jpaSpring Bootで、JPAによるデータベースアクセスを行うためのライブラリです。これを追加するだけで、JPAによるデータベースアクセスに必要なモノが全て揃います。
●hsqldbこれはデータベースエンジンのライブラリです。「
HSQLDB」は、Javaのプログラムで書かれたSQLデータベースエンジンです。Spring Bootでは、
DerbyDB、
HSQLDB、
H2といった3種類のデータベースエンジンをサポートしています。
今回は、
HSQLDBを利用しますが、MySQLなどの一般的なSQLデータベースももちろん利用できます。この場合、
hsqldbライブラリは必要ありません。代わりに、
application.propertiesにデータベースアクセスのために必要な情報を記述するだけです。例えばMySQLならばこんな感じです。
spring.datasource.url=jdbc:mysql://ホスト名/データベース名
spring.datasource.username=利用者名
spring.datasource.password=パスワード
spring.datasource.driverClassName=com.mysql.jdbc.Driver
たったこれだけでデータベースが使えるようになります。その他のややこしい設定やソフトウェアの組み込みなどはまったく必要ありません。