以上、「値」「変数」「演算」について説明しました。この他にも、補足的に「これも知識として知っておきたい」ということをここでまとめて説明しておきましょう。
●文は改行またはセミコロンで区切るSwiftでは、文の終わりは、通常、改行で区切られます。1文ずつ改行して書いていれば、特に文の終わりを意識することはありません。ただし、複数の文を1つにまとめて書きたいような場合にはセミコロンで区切って記述することもできます。
例) a = 1; b = 2; c = 3
●コメントは//または/* */でコメントは、2種類の書き方が用意されます。
// は、それ以降から改行までにあるテキストをコメントとみなします。
/* */は、
/*から
*/までのすべてをコメントとみなします。
また、
/* */は、コメントの階層化をサポートします。コメントの中に更にコメントを記述することもできます。
例) /* comment is /* THIS! */ text. */
●変数宣言や代入はカッコでまとめられる複数の変数を用意するような場合、それぞれを1つ1つの文に書くより、まとめて書くほうが楽です。Swiftではこんな書き方ができます。
var (変数1, 変数2, ……) = (値1, 値2, ……)
これで変数1には値1、変数2には値2……という具合に、順に値が代入されます。
●オーバーフロー対策の「&」大きな数値を扱う場合、
オーバーフローや
アンダーフローの発生に注意しなければいけません。
オーバーフローは「桁あふれ」といって、整数値でその型で扱える上限や下限を超えてしまうことです。また
アンダーフローは浮動小数で扱える桁を超えてしまうことです。この他、演算の際に発生するエラーとして「
ゼロによる除算」などもありますね。
こうした演算時のエラー発生を考える場合、「値がおかしくなってもいいからエラーを発生させないで欲しい」ということもあるでしょう。こうした場合、演算子の前に「
&」をつけることでエラーを発生させないようにできます。
例) var x = y &+ 100000
●値の演算はキャストするSwiftでは、それぞれの値のタイプは静的に決まっています。値の異なるものどうしを演算させたい場合は、どちらかの型にキャストして揃えます。これは「型名( 値 )」という形で行えます。例えばこんな感じです。
// 整数にキャスト
123 + Int(45.67)
// テキストにキャスト
"123" + String(456)
――ごくざっとですが、値・変数・演算の基本についてひと通りまとめました。これらはプログラミングの基本中の基本ですので、ここでしっかりと覚えておきましょう。次回、文法の要となる「制御構文」について説明しましょう。