描画関係のメソッドを整理した時に、その引数として「
Point」とか「
Rectangle」とかいったものが使われていたことに気づいたでしょう。これらは、位置や領域を値として扱う際に用いられる構造体です。この他、描画関係では「
Size」という大きさを示すものもよく使われます。これらは描画関係では特に多用されますので、最後にこれらの構造体について簡単にまとめておきましょう。
●「Point」構造体Pointは、位置を扱うための構造体です。これはいくつかコンストラクタが用意されていますが、基本は以下の2つになります。位置を数値で指定する他、
Sizeから変換することもできるようになっています。
new Point( 横位置 , 縦位置 );
new Point(《Size》);
・プロパティX――横位置を示す値
Y――縦位置を示す値
●「Size」構造体Sizeは、大きさ(縦横の幅の情報)を扱うためのものです。インスタンス作成は
Pointと同様に、縦横の幅を数値で指定する方法と、
Pointから変換する方法が用意されています。
new Size( 横幅 , 高さ );
new Size(《Point》);
・プロパティWidth――横幅を示す値
Height――高さを示す値
●「Rectangle」構造体領域を扱うためのものです。要するに、位置と大きさの情報(
Pointと
Size)をまとめて扱えるようにしたものです。コンストラクタは、位置と大きさ4つの数値を指定するものの他、
Pointと
Sizeを指定するものが用意されています。
なおプロパティには
X, Y, Width, Heightといったものの他に、領域の上下左右の端の位置を示すものが用意されています。
X, Yと
Left, Topは実質同じものです。
new Rectangle( 横位置 , 縦位置 , 横幅 , 高さ );
new Rectangle(《Point》,《Size》);
・プロパティX――横位置を示す値
Y――縦位置を示す値
Width――横幅を示す値
Height――高さを示す値
Left――領域の左端を示す値
Top――領域の上端を示す値
Right――領域の右端を示す値
Bottom――領域の下端を示す値
●「F」構造体についてこれらの構造体には、実はそれぞれ2つのものが用意されています。「
Point」ならば「
PointF」、「
Size」には「
SizeF」、「
Rectangle」なら「
RectangleF」といったものがそれぞれ用意されているのです。
この最後に
Fがつくものは「
実数値によって値を指定する構造体」です。
Fがついていないものは整数値で値を指定するものです。整数用と実数用の2種類がそれぞれ用意されているのです。
先ほど描画用のメソッドで、
Pointなどを引数で使うものを紹介しましたが、これらも実は
Pointと
PointFのそれぞれを利用するものが用意されています。実際に利用する上で、「このメソッドは整数用だけで実数用は使えない」ということはまずないのでご安心を。