では、
WebSocketを利用するための準備を整えましょう。
WebSocketを利用するためには、専用のサーバーが必要になります。これは既にいくつか登場しているのですが、インストールや設定、使い方などが難しかったりすることが多いのです。
特に、
WebSocketを利用するためにはサーバー側にもプログラムを用意しないといけないため、そちら側のプログラムを簡単に作れないと使いこなせません。そうしたもろもろのことを検討した上で、ここでは「
pywebsocket」というものを使ってみることにします。
この
pywebsocketは、スクリプト言語「
Python」を使って作られたWebSocketサーバーです。これは現在、
Google Codeサイトにてプロジェクトが公開されています。
http://code.google.com/p/pywebsocket/
まずは、ここにアクセスし、「
download」リンクから最新のバージョンをダウンロードして下さい。「
mod_pywebsocket-バージョン.tar.gz」といった圧縮ファイルで配布されています。これを展開し、適当なところにはいちしておきます。
この
pywebsocketは、
Apache HTTP Serverで
Pythonを使えるようにするための「
mod_python」と呼ばれる拡張機能を利用して
WebSocketサーバーの機能を実現するためのものです。ただし、ちょっと動かすだけなら、
Apacheサーバーも
mod_pythonも必要ありません。
pywebsocketだけでサーバーを起動してプログラムを動かすことができます。
ただし、そのためには
Pythonがインストールされていないといけません。これは、以下のアドレスから入手してください。
http://www.python.org/download/releases/
ここで、今までのバージョンがひと通り用意されています。注意して欲しいのは、「インストールするのは、
2.5.xの
Python」という点です。pywebsocketは、Python 2.5を使っているのです。
Pythonは、バージョンによってかなり内容が変わるため、それより古いものでも、新しいものでも問題を起こす可能性があります。
さて、
pywebsocketは、スタンドアロンで実行するためのスクリプトを持っています。展開したフォルダを開くと「
src」フォルダがあり、その中に「
mod_pywebsocket」というフォルダが見つかるはずです。これが、
pywebsocketの本体になります。この中にある「
standalone.py」というファイルを実行すると、
WebSocketサーバーが起動します。起動は、コマンドプロンプトを開き、以下のように実行をします。
cd pywebsocketのフォルダパス
python src/mod_pywebsocket/standalone.py
-p ポート番号 -d スクリプトフォルダのパス
2~3行目部分は、1行につなげて書いてください。(……standalone.py -p ポート番号…… という具合につなげる)。これで
pywebsocketのサーバーが起動します。
といっても、まだサーバー側に全く何のプログラムもないので、何かスクリプトを用意しましょう。
pywebsocketには、簡単なサンプル(メッセージを送信すると、そのままメッセージが返ってくる、というだけのもの)があるので、これを利用しましょう。
python src/mod_pywebsocket/standalone.py
-p 8800 -d src/example
このようにしてスクリプトを実行してください。「
example」フォルダの中に「
echo_wsh.py」というスクリプトファイルがあります。これがサンプルのスクリプトです。このスクリプトを、ここでは
8800版ポートで実行することにします。
今回は、このexampleフォルダを指定してサーバーを起動しますので、サンプルで作るHTMLページも、自分で作るスクリプトも、この「example」フォルダの中に保存をします。もし、別にフォルダを用意して使いたければ、サーバーを起動する命令にある「-d」のフォルダパスを変更してください。