プログラミング言語の文法を覚えるには、まず「
値」と「
変数」からしっかり理解していくのが基本でしょう。TypeScriptでは、変数は以下のように宣言します。
var 変数 = 値;
let 変数 = 値;
JavaScriptと変わりありませんね。「
letってなんだ?」と思った人もいるかもしれませんが、これはECMAScript6からサポートされている、局所変数のためのものです。もちろん、JavaScriptにもあります。
これだけなら、「JavaScriptと同じだ」と思うかもしれません。TypeScriptが大きく異なるのは、変数宣言の際に「
値のタイプ」を指定できる点です。これは、以下のように記述します。
var 変数 : タイプ = 値;
let 変数 : タイプ = 値;
タイプとは、値の種類のことです。TypeScriptには、いくつかのタイプが用意されています。変数宣言時にタイプを指定することで、そのタイプの値のみが保管できるようにすることができます。
■用意されているタイプ
では、このタイプというのはどのようなものがあるのか。以下に整理しておきましょう。
●真偽値(boolean)真偽値は、trueまたはfalseで設定される二者択一の値です。これらは
boolean型として用意されています。
●数値(number)数値は、すべて
number型という値として用意されます。TypeScriptでは、整数も実数も区別なく
number型として扱われます。
●テキスト(string)テキストの値(前後をクォートでくくって記述したもの)は、すべて
string型として扱われます。
――この他にもタイプはいくつかあるのですが、基本的な値としてはこれだけ頭に入れておけばいいでしょう。
タイプを指定すると、そのタイプ以外の値を代入しようとすると、コンパイル時にエラーが発生します。例えば、
var num:number = 123;
num = "456";
このように書いてコンパイルすると、「
error TS2011: Cannot convert 'string' to 'number'.」といったエラーが表示されます。