Spring Frameworkは、Javaのフレームワークです。もともとは
DI(Dependency Injection、依存性注入)という機能を実現するためのものでしたが、このDIと、
AOP(Aspect Oriented Programming、アスペクト指向プログラミング)という機能を核としてさまざまなフレームワークプロジェクトが進められており、現在ではほとんど「フレームワークのディズニーランド」状態となっています。
中でも多くのJava開発者に注目されているのが「
Spring MVC」でしょう。これはMVCアーキテクチャーに基づいたWebアプリケーション構築のためのフレームワークです。JavaでMVCによるWebアプリを作ろうとしたとき、
Spring MVCは真っ先に浮かぶフレームワークの候補となりつつあります。
が、この
Spring MVC、使いこなすのはなかなかに大変です。膨大な数のライブラリ、複雑な設定、これらを正しく使わなければいけません。
Spring MVCには「
Spring Roo」というツールが用意されており、これを利用することでプロジェクトの基本的なファイル類を自動生成できます。が、それでもコードそのものは
Spring MVCを駆使して書かなければいけません。
この巨大フレームワークSpringを使いこなすことの難しさから、いまいち
Spring MVCの導入に踏み切れないでいる人は多いことでしょう。
そんな状況をSpringの開発元も理解していたのでしょう、「もっと簡単に
Spring MVCを使えるようにする」ためのフレームワークが登場しました。それが「
Spring Boot」です。
Spring Bootは、「最小限の工程で実用可能なアプリケーションを作成する」ことを第一に考えて作られたフレームワークです。これは、その他のSpringのフレームワークと同様に、Mavenでプロジェクトを作成し利用する他、「
Spring Boot CLI」という専用ツールも用意されています。
本格的な利用は後でやってみることとして、まずは
Spring Boot CLIを使った超簡易アプリ作成を行ってみましょう。
Spring Boot CLIは、以下のアドレスからダウンロードできます。
http://docs.spring.io/spring-boot/docs/current-SNAPSHOT/reference/htmlsingle/#getting-started-installing-the-cli
ここから、「
spring-boot-cli-xxx.BUILD-SNAPSHOT-bin.zip」というリンク(xxxは任意のバージョン)をクリックしてください。Zip圧縮された
Spring Boot CLIがダウンロードされます。これを適当な場所に展開して配置してください。
展開したフォルダの中には「bin」フォルダがあり、その中にspringコマンドのファイルがあります。これが
Spring Boot CLIのツールです。これが利用できるように、「bin」フォルダのパスを環境変数
pathに追加しておいてください。