CakePHPでは、
Model-View-Controller(MVC)というアーキテクチャーを導入しており、これらのものを作成することでWebアプリケーションが構築できます。――と、口で言うのは簡単ですが、それじゃ一体、何をどこから作っていけばいいのか。一度に全部作らないと動かないのか? その入口のところで早くもつまづいてしまう人は多いことでしょう。
MVCと一口にいっても、その重要性には微妙な違いがあります。モデルは、データベースアクセスに関する機能ですから、データベースを使わなければ不要です。ビューは、テンプレートとして画面表示を作成しておくものですが、これも「PHPの関数で無理やり画面表示を書きだしてしまう」なら、なくても大丈夫です。
となると、残るはコントローラーです。これは、「なし」で済ませることはできません。コントローラーでページの処理を行うのですから。これがないと、そもそもページそのものが存在できません。したがって、まず最初は「コントローラーを作って、ページを表示する」ということからやっていくことにしましょう。
コントローラーは、CakePHPの「
app」フォルダの中にある「
Controller」というフォルダの中に作成します。ここにPHPのスクリプトファイル(拡張子が.phpのファイル)を用意しておくと、自動的にそれらをコントローラーのスクリプトだと認識します。
が! 注意したいのは「そのためには、決められた形でファイル名を付けないといけない」という点です。前回触れたように、CakePHPでは
命名規則を非常に重視しています。名前を元にコントローラーの名前などを割りだすので、適当な名前をつけると理解出来ないのです。コントローラーのスクリプトファイルは、必ず以下のようにつけます。
アプリケーション名Controller.php
「アプリケーション名」というのは、作成する「MVC」がワンセットになったプログラムのかたまりのこと、と考えてください。――例えば、ここでは試しに「
sample」というアプリケーションを用意しようという場合、「
Controller」フォルダ内に「
SampleController.php」というスクリプトファイルを用意します。しっかり頭に入れておいて欲しいのは、「大文字小文字までかっちり同じ名前でないとダメ!」という点です。
CakePHPでは、ファイル名やクラス名などは「
キャメル記法」と呼ばれる表記法を採用しています。これは、複数の単語を一つのテキストにつなげたような名前の場合、各単語の最初の文字目だけを大文字にする、というものです。例えば、今の例ならば「
sample」と「
controller」をつなげるので、「
SampleController」という名前になり、これに拡張子をつけて「
SampleController.php」というファイル名になるわけですね。――まずは、この「コントローラーの命名規則」についてしっかり理解しておいてください。