では、実際にRubyを動かしてみましょう。といっても、まだ何の開発ツールなども用意していません。が、それでもRubyを動かすことはできます。それはコマンドプロンプトを使うのです。
先ほど、インストールするときに、「
Add Ruby executables to your PATH」というチェックをONにしておきました。これにより、Ruby本体(ruby.exe)のパスが
PATH環境変数に追加され、コマンドプロンプトからファイル名だけで実行できるようになります。
もし、
PATHに追加するのを忘れた場合は、スタートボタンの<コントロールパネル>から<システム>を起動し、<システムの詳細設定>リンクをクリックしてシステムの設定ウインドウを呼び出します。そして「環境変数」ボタンを押して環境変数のウインドウを開き、システム環境変数から「Path」という項目を探して、この変数の値の冒頭に、ruby.exeがあるフォルダのパス(C:\ruby193\bin)を追加して下さい。くれぐれも、既に記述されている値を消したりしないように注意してください。
さて、コマンドプロンプトを起動したら、開いたウインドウで以下のように実行をします。
ruby
これでEnterすると、Rubyが起動します。Rubyのプログラムは、何のオプションも指定せずに起動すると、このように入力待ちの状態で起動します。ここで、Rubyのスクリプトを書くと、それがその場で実行できるのです。
では、以下のようにタイプしてみてください。1行ずつ書いてはEnterして記述をしましょう。
a = 10
b = 20
c = 30
result = (a + b) * c
puts("答え:" + result.to_s)
Rubyなどの言語では、その言語で書かれたプログラムリストのことを「スクリプト」と呼びます。スクリプトを書いて、これを実行する、それが言語の役目なのですね。上のリストが、そのスクリプトになります。
スクリプトを書いたら、
Ctrlキーを押したままの状態で
「Z」キーを押します。すると画面に「^Z」と表示されるので、そのままEnterしてください。これで、スクリプトの入力モードを終了し、それまで入力したスクリプトをその場で実行します。この例ならば、「答え:900」というテキストが出力されるはずです。
スクリプトの内容は後ほど説明するとして、このようにしてその場でスクリプトを記述し実行することがRubyではできるのです。あまり一般的な方法ではありませんが、「ちょっとスクリプトを試したい」というときには便利な機能ですね。
●スクリプトファイルを実行する
一般的なRubyの使い方としては、あらかじめスクリプトを書いたファイルを作成しておき、これを実行する、というやりかたになるでしょう。これもやってみましょう。
テキストエディタを起動し、先ほど書いたスクリプトを記述して下さい。そしてそれを「
sample.rb」というファイル名で保存します。まぁ、ファイル名はなんでもいいのですが、Rubyのスクリプトファイルは「
.rb」という拡張子をつけて保存するようにして下さい。また、テキストエンコーディングは「
UTF-8」にしておきます(BOMなしは不可)。
ファイルを保存したら、コマンドプロンプトを起動し、そのファイルがある場所にcdコマンドで移動をします。例えばデスクトップならば、(コマンドプロンプトを起動したときはホームディレクトリが開かれてるので)、「
cd Desktop」と入力しEnterすればデスクトップに移動します。そして、
ruby sample.rb
このように実行すれば、スクリプトが実行されます。このように「
ruby ファイル名」というように実行するスクリプトファイルを指定することで、そのファイルを実行させることができます。