Grailsの話はちょっと脇において、今回は
Groovyという言語についてざっと頭に入れておくことにしましょう。Groovyは、Javaを使っている人間なら、ポイントだけ押さえればすぐに理解できるものです。
■スクリプトの動かし方
Groovyは、いくつかの方法でスクリプトを実行できます。もっとも簡単なのは、
Groovyコンソールを使う方法です。Groovyをインストールしているディレクトリの「
bin」内に「
GroovyConsole.exe」というプログラムがあります。これをダブルクリックして起動しましょう。画面に、上下2つの領域にわかれたウインドウが現れます。
・その場で実行!この上の部分がスクリプトを編集するエディタ、下が実行結果を出力するコンソールになっています。上の部分にスクリプトを書き、
<Script>メニューから
<Run>を選ぶとその場で実行されます。簡単でしょ?
・ファイルを実行!スクリプトをファイルに保存し、そのスクリプトファイルを実行したい場合は、コマンドプロンプトから「
groovy」コマンドを実行すればいいでしょう。cdコマンドでスクリプトファイルのある場所に移動し、
groovy ファイル名
と実行するだけです。Groovyのスクリプトファイルは、
Groovyコンソールでも作ることができます。このファイルは通常、「
○○.groovy」というように
groovy拡張子をつけて保存します。
実際に簡単なサンプルを書いて動かしてみましょう。以下の文をGroovyコンソールに書いて実行してみてください。下のコンソール欄に「Hello!」と表示されますよ。
println("Hello!")
これは、JavaのSystem.out.printlnをGroovyで実行したものです。標準出力への書き出しは、こんな具合にprintlnだけで行えます。また、これは、
println "Hello!"
こんな具合に、引数のカッコをつけずに書くこともできます。非常に柔軟な書き方がGroovyではできるのです。
また、この一文を見てもわかるように、Groovyでは文末のセミコロン(;)は不要です。つけてもかまいませんが、なくても問題ありません。どっちでも構わないのです。
■クラスは書かない?
サンプルコードを見て、Javaユーザーなら「クラスは書かないの?」と不思議に思ったかもしれません。Javaなら、まずクラスを書いて、その中に
mainメソッドを用意して処理を記述しますね。けれどGroovyでは、実行したい文をいきなりずらずらと書いて動かせるのです。こうした書き方は一般に「
ルーズステートメント」と呼ばれます。
また、あとで触れますが、Groovyでは「クラスに含まれないメソッド」も書くことができます。いわゆる「関数」というやつですね。こんな具合に、GroovyではJavaではできなかったコードの書き方がいろいろと用意されているのです。