CakePHPは、特に日本においては「PHPフレームワークのデファクトスタンダード」といってもよいほどに広く普及しています。CakePHPは、「
Webアプリケーションフレームワーク」と呼ばれるものです。一般的なWebアプリケーションを作る際の基本的なシステムを提供するフレームワークなのです。
更には、「
MVCフレームワーク」と呼ばれるものでもあります。
MVCというのは、「
Model-View-Controller」の略で、Webアプリケーションを「データを扱うためのモデル」「表示を扱うためのビュー」「全体の制御を行うコントローラー」という3つの要素の組み合わせで構築していく考え方です。
これは、昨今のWebアプリケーションフレームワークの基本的な考え方であり、MVCによるWebアプリケーション構築の考え方をマスターすることはWeb開発において非常に重要となっています。CakePHPを使って、MVCベースのWebアプリケーション開発についてひと通り理解すれば、今後のWeb開発にも大きな力となってくれるはずです。
■Composerを用意する
では、CakePHPを利用するための準備を整えましょう。まずは、CakePHPをダウンロードして……といいたいところですが、最近のフレームワークでは、こんなふうに「ソフトを直接ダウンロードし組み込んで使う」といったやり方はあまりしません。どうするのかというと、ソフトウェアを管理するツールを利用して、必要に応じて必要なソフトを組み込めるようにして使うのです。
PHPでは、「
Composer」と呼ばれる
パッケージ管理ツールがあります。これを利用してCakePHPを使うのが一番でしょう。Composerは、以下のサイトで公開されています。
https://getcomposer.org/
・Windowsの場合サイトから、Composerのインストーラをダウンロードし、インストールをして下さい。サイトの「Download」リンクをクリックし、現れたページで「Windows Installer」というところにある「Composer-Setup.exe」のリンクをクリックすると、インストーラがダウンロードされます。
・Mac OS X/Linuxの場合Composerは、curlを利用してインストールします。ターミナルを起動し、以下のように実行して下さい。これでComposerがインストールされ、利用可能になります。
curl -sS https://getcomposer.org/installer | php
■XAMPPについて
Web開発を行おうと考えているなら、既にWebサーバーがインストールされているでしょう。CakePHPでは、それらをそのまま使ってWebアプリケーションを動かすこともできます。が、「まだWebサーバーなんて用意してない」というなら、今すぐWebサーバーを探してインストールしなくてもかまいません。
実をいえば、CakePHP 3.0には開発用のサーバーが内蔵されており、その場でサーバーを実行して動作を確認することができます。ですから、別途サーバーは必要ないのです。(ただし! もちろんPHPそのものは用意されていないとダメですよ)
もちろん、既にWebサーバーがある場合は、それを利用することもできます。ただし、Windows環境などでは「
XAMPP」を利用している人も多いことと思いますが、その場合、「php」フォルダ内にある「
php.ini」の設定を修正する必要があるので注意して下さい。
php.iniをエディタで開き、以下の文を検索して下さい。
;extension=php_intl.dll
この文の冒頭にある「
;」を削除し、コメントから通常の実行文に変更して下さい。これで、XAMPPのWebサーバーでもCakePHPが動くようになります。これが変更されていないと、CakePHP 3は正しく動かないので注意しましょう。