■プロジェクトを実行してみよう!
では、作成されたプログラムの内容などは後回しにして、とりあえずプロジェクトを実際に動かしてみましょう。プロジェクトのウインドウの左上にあるポップアップメニューに注目! ここで「Simulator - 4.2
Debug」あるいは「iPhone 4.3 Simulator」という項目が表示されていますか?
このメニューは、プロジェクトをどういう形で実行するのかを示すものです。これらの内容について以下に整理しておきましょう。
※Xcode 3.2の場合
Deviceか、Simulatorか
これは、実際に接続されているデバイス(つまりiphone)で動かすか、ソフト的にエミュレートするシミュレータソフトで動かすか、です。iphoneが接続されていないと、Deviceは選択できません。
Releaseか、Debugか
Releaseとは、実際にアプリを完成させリリースするものです。Debugは、デバッグ、すなわち動作チェックのためのものです。通常、テスト動作ではDebugを選択しておきましょう。そして「これで完成」となったら、Releaseを選んで、最終確認をしましょう。
iPhone Simulatorか、iPad Simulatorか
Xcodeには、iphoneとipadのシミュレータが搭載されており、その場でアプリを動かすことができます。これらを切り替えることで、ipadだとどうなるか、などを確認できるわけです。
アクティブターゲット、アクティブアーキテクチャー
ターゲットと呼ばれるビルド設定、どういうハードで動かすかを示すアーキテクチャーなどが用意されています。が、ターゲットは自分で作らない限りはデフォルトのものだけ、アーキテクチャーもiOSのプロジェクトの場合は1つのみです。
※Xcode 4の場合
・iOS Deviceを選ぶ
Xcode 4。では、メニューはだいぶすっきりしています。プロジェクト名(ここでは、MyIApp)の右に、「iOS Device」「iPad 4.3 Simulator」「iPhone 4.3 Simulator」といった項目があり、ここでどのデバイスで実行するかを選択するだけです。これらは、Xcode 4では「スキーム」と呼ばれます。
・スキームの編集
デバッグモードやリリースモードのようなものは、ここに用意されるスキームを編集して行います。ポップアップメニューから、<Edit Scheme...>を選ぶと、スキーム編集のためのシートが現れ、そこで設定を変更することができます。ここで「Build Configuration」を「Debug」から「Release」に変えると、リリースモードでビルドされるようになります。
では、ポップアップメニューから動作する環境をきっちり指定したら、「Run」または「ビルドと実行」ボタンを押してください。プロジェクトのビルドを開始し、自動的にプログラムを実行します。iphoneのエミュレータが起動し、そこにアプリが表示されます。といっても、何も表示されない、ただグレーの画面だけですが……。これが、標準で作成されたアプリの画面なのです。
このiphoneシミュレータは、なかなかよくできていて、「ハードウェア」メニューから、デバイスの種類(ipadか、iphoneか、iphoneのRetinaディスプレイか)を選んだり、OSのバージョンを変更したり、iphoneを90度ごとに回転させたりできます。また、iphone下部にあるボタンを押せば、ちゃんとホーム画面にも戻れます(ただし、アプリはごくわずかしかありません)。
まずは、このiphoneエミュレータを使って、iphoneアプリの動作チェックの方法をざっと理解しておきましょう。――これで、プロジェクトの作成から実行までひと通り出来ましたから、次回からいよいよプログラムのソースコードを見ていくことにしましょう。
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