アプリケーションキャッシュを利用する場合、表示するHTMLファイルとは別に「
マニフェストファイル」というものを用意する必要があります。先ほど触れた、設定ファイルのことです。
このファイルは、キャッシュするファイルやしないファイルなどの情報を記述したテキストファイルです。これは、「
.appcache」という拡張子をつけておきます(先ほど、Apache HTTP Serverに
.appcacheという拡張子を登録したのを思い出してください。これで登録した拡張子を使用する、ということです。他の、例えば
.mfを登録してあれば、ファイル名も
.mf拡張子にする必要があります)。
このファイルに記述するのは、以下のような設定です。
CACHE MANIFEST
CACHE:
……キャッシュするファイルを書く……
NETWORK:
……キャッシュしないファイルを書く……
FALLBACK:
……問題発生時に表示するページの指定……
CACHE MANIFESTという文で始まり、その後に
CACHE:、
NETWORK:、
FALLBACK:といった項目を用意します。そしてそれぞれの項目の後に、設定するファイルのパスを1つずつ改行して書きます。
CACHE:に記述するのは、キャッシュしておくファイルです。これはHTMLファイルだけでなく、そのWebページ内で使われているイメージやスタイルシート、スクリプトなどのファイルも含めることができます。すると、それらのファイルはすべてローカルボリューム内に保存され、そこから読み込んで表示を行うようになります。
NETWORK:に記述するのは、キャッシュしないファイルです。キャッシュされるページは、その後でページが更新されても表示が変わりません(もちろん更新する仕組みはありますが、ページがが書き換わってもそれだけでは更新されない、ということです)。ですから、例えばCGIやサーバーサイドのプログラムによりダイナミックに生成されるページなどは、NETWORK:に指定しておかないと、正しく反映されなくなります。
FALLBACK:には、キャッシュ処理の際に何らかの問題が発生した時にジャンプするWebページのアドレスを指定しておきます。ここに何らかのメッセージを用意しておけばいいわけです。
なお、この他に何らかのコメントを書いておきたい場合には、
#記号を付けて記述をします。#で始まる文は、その文の終わりまでコメントとしてみなされます。
これらの項目は、すべて用意する必要はありません。不要であれば、CACHE:以外のものは省略できます。またCACHE:も省略して、CACHE MANIFESTの後にそのままキャッシュするファイルを記述することもできます。