このところ「クラウドを利用したストレージサービス」が次第に普及し始めています。もっともよく知られているのは「Dropbox」でしょう。これで簡単にファイルをクラウド上に保存し、あちこちのクライアントから利用できるようになりました。またGoogleも「
Googleドライブ」というクラウドストレージをリリースし、ファイルを同期してそのままGoogleドキュメントで開いて編集できるなど、ひと味違うサービスを展開しています。
が、このGoogleから、Googleドライブなどよりもずっと前から、もう一つのクラウドストレージ・サービスが提供されていることは意外と知られていないようです。それが「
Google Cloud Storage」です。
Googleドライブがあるのに、なぜ別のものをわざわざ用意するのか。それは、
Google Cloud Storageが「Webで動くプログラムの内部から利用するためのもの」だからです。Googleドライブは、ユーザが直接ファイルをコピーしたりして操作できますが、この
Google Cloud Storageは、Webアプリケーションが利用するためのストレージなのです。
この
Google Cloud StorageはAPIを使って
Google App Engineからアクセスすることができます。GAEは「ファイルアクセスができない」という欠点がありましたが、Google Cloud Storageを利用することで、その問題を解決できます。
■Google Cloud Storageを使用する
Google Cloud Storageを利用するには、
Google API Consoleを利用します。まず以下のアドレスにアクセスしてください。
https://code.google.com/apis/console/
これは、Googleが提供する各種APIの利用状況を管理するための開発者向けコンソールです。左側のリストから「
Services」をクリックすると、右側に利用可能なAPIの一覧リストが表示されます。この中から、「
Google Cloud Storage」を探し、そこにあるスイッチをクリックして「ON」にします。これでAPIが使える状態になります。
その後、左のリストから「
Billing」をクリックし、現れた画面にある「
Checkout」のボタンをクリックして、
Google Checkoutの支払い処理を行なってください。「支払い」といっても、初期設定のままなら、料金はタダです。(利用する容量やアクセス頻度が無料枠を超えると料金がかかる、という仕組みになっています)
■Cloud Storage Managerを使う
では、作成したストレージを見てみましょう。
Cloud Storageの内容は、「
Google Cloud Storage Manager」というWebベースのツールで管理できます。以下のアドレスにアクセスしてください。
https://sandbox.google.com/storage/
ここで、フォルダを作ったり、ファイルのアップロードやダウンロードをすることができます。まずは、今回利用するファイルを配置するための場所を用意しておきましょう。ページの右上辺りにある「
New Bucket」というボタンをクリックし、「
my_cloud_data」というフォルダを作成しておくことにしましょう。
これで作成されるのは「
Bucket(バケット)」と呼ばれるものです。Cloud Storageでは、まずバケットを作成し、この中にフォルダやファイルを作成します。Cloud Storageを利用するためには、バケットの用意は不可欠なのです。