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初心者のためのJupyter入門

Jupyterをセットアップしよう (1/5)

作成:2018-01-20 08:17
更新:2018-01-20 08:17

■Jupyter notebookって、なに?

理系の学生や技術系の仕事などをしていると、さまざまなデータを解析したり簡単なプログラムなどで処理を行うようなことが多いでしょう。そして、得られた結果をレポートにまとめることも多いはずです。こんなとき、どのようにレポート作成をしていますか?

文系にはおなじみのマイクロソフト・オフィス(エクセルやワードなど)を使えば、表やグラフを作ったりドキュメントにまとめたりできます。けれど、これは「すべての分析や処理などが完了し、結果がまとまったら」の話です。

作業中の経過を何らかの形で残したい、というときはどうでしょう? いわば「研究ノート、技術ノート」のようなものですね。実際に行った処理などをそのまま残し、必要があればいつでも再実行できるような形で整理する。プログラムも各種の計算も、数式やデータもすべてそのままに残しておく。そういうことができれば、ずいぶんと便利じゃありませんか?

後で疑問点などがあっても、ノートを読み返し、その場で再実行できる。実行した処理を他の人間も追試できる。そういうドキュメント作成ツールがあったらなぁ……と思った人。それこそが、Jupyter notebook(以後、Jupyterと略)なのです。

Jupyterは、「ノートブック」と呼ばれるドキュメントを作成します。このノートブックは、「セル」と呼ばれるブロックを配置して文書作成をします。それぞれのセルは、Markdownによる文書を書いたり、Pythonによるコードを記述して実行したりできます。つまり、文書の中で処理を実行できるんですね。

デフォルトではPythonのみですが、Jupyterは文書の編集を行うフロントエンドと、バックで処理を行うカーネル部分を分離して設計されており、他の言語を追加して利用できるようにすることも可能です。また、Pythonが使えますから、Pythonのパッケージなどを追加することで機能もどんどん拡張できます。

「そんなに本格的な研究や実験なんてやってるわけじゃないから必要ないよ……」と思う人も。あるいは普通のエクセルで表やグラフを作ってワードで文書作成しているような人も、実はけっこう使えると思うのです。「紙に印刷しないとダメ」という場合は仕方ありませんが、オンラインで部署内でドキュメントを共有するような場合、実際に行った処理や結果のグラフなどを誰でも後で再実行できる形で公開できる、というのはずいぶんと役に立つはずです。

また、ワードなどではイマイチうまくできない数式の記述なども簡単です。Markdownでドキュメントを書いて、グラフや表を作成して、それらをドラッグして入れ替えたり簡単に行える。これだけでも実はドキュメント作成ツールとしてかなり使えるはずですよ。

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