ビルドツールの中でも、Javaプログラマにとってデファクトスタンダートともいえる地位を築いているのが「Apache Maven」です。

これは、Apache Software Foundationが開発を進めているオープンソースのビルドツールです。このMavenが支持されるには、いくつか理由があります。

・もともとJavaの間では、Antと呼ばれるビルドツールが広く使われていました。Mavenは、Antの後継ともいえるもので、ごく自然な流れとしてAntからMavenへ移行し、気がつけばデファクトスタンダードとなっていた、という感があります。

・Mavenの最大の功績は「セントラルリポジトリ」と呼ばれるものを用意したことでしょう。これは、Javaで利用されるさまざまなライブラリやプログラム類を集中管理するサーバーで、Mavenはこのサーバーにアクセスし、必要に応じてプログラムをダウンロードしプロジェクトにインストールします。つまり、開発者がライブラリなどを自分でインストールしたりして管理する必要がないのです。Maven以外のビルドツールでも、このMavenのセントラルリポジトリに対応しているものが多いのです。

・Mavenは、XMLでビルドファイルを作成します。XMLを利用する点については賛否があるでしょうが、必要な情報をわかりやすく構造的に記述するものとしてXMLは広く使われており、比較的受け入れやすいでしょう。またXMLは構造がしっかりしていて解析しやすいため、開発ツールなどでは専用のビジュアルエディアなどを用意し対応しているものもあります。

他にも利点は色々挙げられるでしょうが、「XMLベースで割とわかりやすく、プロジェクトで使うライブラリなども全部まとめて管理してくれる」というだけで、Mavenを利用する意味は大いにあります。



では、Mavenを準備しましょう。Mavenは、以下のサイトで公開されています。

https://maven.apache.org

ここから、左側のメニューにある「Download」リンクをクリックし、ダウンロードページに移動しましょう。Downloadページの「Files」というところに、Mavenのファイルのダウンロードリンクが用意されています。

Mavenプログラムは、圧縮ファイルにまとめられた状態で配布されています。「Binary tar.gz archive」または「Binary zip archive」にあるリンクをクリックしてファイルをダウンロードして下さい。どちらも中身は同じです。

※下図：Mavenサイトのダウンロードページ。