Contactオブジェクトには、連絡先に関する様々な項目がプロパティとして用意されています。それらの値を取り出したり、値を変更したりして必要な情報の修得や作成が行えるわけです。では、用意されている主なプロパティについて整理しておきましょう。

id――各連絡先に割り当てられているIDです。
displayName――表示名です。これが連絡帳などに表示されます。
name――登録されている名前です。これは「ContactName」というオブジェクトとして用意されます。
nickname――ニックネームです。これはただのテキストです。
phoneNumbers――電話番号の情報です。これは「ContactField」というオブジェクトの配列として用意されます。
emails――メールアドレスの情報です。これも「ContactField」配列になっています。
addresses――住所の情報です。これは「ContactAddress」というオブジェクトの配列です。
ims――IM情報です。「ContactField」配列になっています。
organizations――組織情報です。「ContactOrganization」というオブジェクトの配列になっています。
birthday――誕生日です。これはDateオブジェクトとして用意されます。
note――メモです。ただのテキストです。
photos――写真の情報です。これも「ContactField」配列になっています。
categories――カテゴリ情報です。やっぱり「ContactField」配列です。
urls――URL情報です。まだまだ「ContactField」配列です。
timezone――タイムゾーンです。これはテキストの値です。

ざっと見ればわかるように、単純なテキストなどで値が設定されているのは実は少なく、大半が専用のオブジェクトを使って設定されていることがわかります。では、これらの専用オブジェクトについても簡単に説明しておきましょう。

●ContactName
名前の情報を管理するためのものです。以下の値がプロパティとして用意されます。

formatted――フルネームのテキストです。
givenName――いわゆるファーストネームに相当するものです。
familyName――名字に相当するものです。
middleName――ミドルネームです。
honorificPrefix――頭につける敬称の指定です。
honorificSuffix――最後につける敬称の指定です。

●ContactField
電話番号やメールなどさまざまな項目で用いられます。自宅や仕事先などいくつもの項目を持つデータに利用されます。以下のプロパティが用意されています。

type――データの種類を示します。例えば「家（home）」というような値が指定されます。
value――保管される値です。
pref――初期値などがある場合、これを指定します。

●ContactAddress
住所を管理するものです。これも、住所を構成するそれぞれの値がプロパティとして用意されています。

formatted――住所全体をひとまとめにしたものです。
country――国名が指定されます。
region――住所の一番最初の要素で、米国なら州、日本なら都道府県名などが入ります。
locality――番地の二番目の要素で、市町村などが入ります。
streetAddress――住所の一番最後の要素で、それ以降の細かな番地などが指定されます。
postalCode――郵便番号です。

●ContactOrganization
組織に関する情報を管理するものです。以下の項目がプロパティとして用意されます。

name――組織名です。
department――所属部署の名前などが入ります。
title――役職です。部長とか課長とかヒラとかですね。

これらのオブジェクトから必要に応じてプロパティの値を取り出したり変更したりして、住所録の細かな値を操作する、というわけです。複雑そうですが、メソッドなどは特になく、すべてプロパティだけですから、実際に使ってみるとそう難しくはありません。