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初心者のためのCocos2d-xゲームプログラミング入門

ソースコードの基本を理解しよう (4/5)

作成:2015-05-23 09:14
更新:2015-05-23 09:24

■HelloWorldクラスの中身をチェック!

さて、作成されているクラスの概要がだいたい頭に入ったところで、実際に画面に表示される内容を記述しているHelloWorldクラスの実装を見てみることにしましょう。

下のリスト欄に、HelloWorldScene.cppの内容を掲載します(例によってコメントは省略)。今回は、さすがにちょっと長くなっていますね。いろいろと覚えないといけないことも多そうです。メソッドごとに整理をしていきましょう。

◎createSceneメソッド
最初にあるのは、シーンを作成するためのcreateSceneメソッドです。ここでは、Sceneクラスのインスタンスを作成し、これにHelloWorldレイヤーを組み込んで返す、という処理をしています。
    auto scene = Scene::create();
    auto layer = HelloWorld::create();
まず、SceneHelloWorldのインスタンスを作成します。見ればわかるように、インスタンス作成はnewなどではなく、createメソッドを使って行います。これはCocos2d-xの基本として覚えておきましょう。また代入する変数には、タイプの指定として「auto」キーワードが使われています。autoは自動でタイプを設定してくれるキーワードで、上記の文はつまりこういうことです。
    Scene* scene = Scene::create();
    HelloWorld* layer = HelloWorld::create();
Cocos2d-xではけっこういろいろな部品が使われますので、たいていはautoを指定します。こうするとかなり楽ちんですね。

インスタンスを作成したら、レイヤーであるHelloWorldインスタンスを、シーンであるSceneインスタンスに組み込みます。
scene->addChild(layer);
これで、作成したHelloWorldが画面に表示されるようになります。

◎初期化のためのinitメソッド
このクラスの一番重要な部分が、initメソッドです。ここでシーンの表示(実際にはレイヤーですが)を作成しています。

まず、画面サイズと、シーンの表示位置に関する値を変数に取り出しています。
Size visibleSize = Director::getInstance()->getVisibleSize();
Vec2 origin = Director::getInstance()->getVisibleOrigin();

visibleSizeは、画面の大きさを保管するもので、Size構造体という値になっています。originは、このシーンがOpenGLを利用するGLViewというものに表示されている位置を示すもので、Vec2構造体という値になります。

まぁ、要するに「部品を配置する際に使う、大きさと位置の基準となるものを用意している、と考えて下さい。

次にあるのは、サンプルアプリで用意している「終了ボタン」の作成処理です。これが実は一番難しそうに見えます。
auto closeItem = MenuItemImage::create(
       "CloseNormal.png",
       "CloseSelected.png",
       CC_CALLBACK_1(HelloWorld::menuCloseCallback, this));
closeItem->setPosition(Vec2(origin.x + visibleSize.width - closeItem->getContentSize().width/2 ,
       origin.y + closeItem->getContentSize().height/2));
auto menu = Menu::create(closeItem, NULL);
menu->setPosition(Vec2::ZERO);
this->addChild(menu, 1);
この部分ですね。MenuItemImageというもので表示イメージを作り、それを使ってMenuというものを作成してシーンに組み込んでいます。まぁ、このへんは今すぐ覚える必要はありません。その内に取り上げるつもりですから、ここでは「右下の電源OFFボタンをこうやって作ってるみたいだ」程度に流し読みして下さい。

※プログラムリストが表示されない場合

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●プログラム・リスト●

#include "HelloWorldScene.h"

USING_NS_CC;

Scene* HelloWorld::createScene()
{
    auto scene = Scene::create();
    auto layer = HelloWorld::create();
    scene->addChild(layer);
    return scene;
}

bool HelloWorld::init()
{
    if ( !Layer::init() )
    {
        return false;
    }
    
    Size visibleSize = Director::getInstance()->getVisibleSize();
    Vec2 origin = Director::getInstance()->getVisibleOrigin();
    auto closeItem = MenuItemImage::create(
                                           "CloseNormal.png",
                                           "CloseSelected.png",
                                           CC_CALLBACK_1(HelloWorld::menuCloseCallback, this));
    closeItem->setPosition(Vec2(origin.x + visibleSize.width - closeItem->getContentSize().width/2 ,
                                origin.y + closeItem->getContentSize().height/2));
    auto menu = Menu::create(closeItem, NULL);
    menu->setPosition(Vec2::ZERO);
    this->addChild(menu, 1);

    auto label = Label::createWithTTF("Hello World", "fonts/Marker Felt.ttf", 24);
    label->setPosition(Vec2(origin.x + visibleSize.width/2,
                            origin.y + visibleSize.height - label->getContentSize().height));
    this->addChild(label, 1);
    auto sprite = Sprite::create("HelloWorld.png");
    sprite->setPosition(Vec2(visibleSize.width/2 + origin.x, visibleSize.height/2 + origin.y));
    this->addChild(sprite, 0);
    
    return true;
}

void HelloWorld::menuCloseCallback(Ref* pSender)
{
    Director::getInstance()->end();

#if (CC_TARGET_PLATFORM == CC_PLATFORM_IOS)
    exit(0);
#endif
}
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