では、作成されたプロジェクトのフォルダがどうなっているのか、ちょっと見てみましょう。フォルダを開くと、かなりたくさんのフォルダが作成されていることがわかります。以下に整理しましょう。
「bin」フォルダビルドにより生成されるファイル類が保存されます。
「Classes」フォルダC++で作成されたクラスのソースコードファイルが保存されます。ここが、プログラムの本体となるところです。
「cocos2d」フォルダCocos2d-x本体に関連するファイル類がまとめられています。
「proj.android」フォルダAndroidアプリのプロジェクト関連が入っています。これはそのまま
Android Studioでプロジェクトとしてインポートし利用できます。
「proj.ios_mac」フォルダiOSおよび
Mac用アプリのプロジェクト関連が入ってます。これはそのまま
Xcodeでプロジェクトとして開いて編集できます。
「proj.linux」フォルダLinux用アプリのプロジェクト関連が入っています。
「proj.win8.1-universal」フォルダWindows 8用アプリのプロジェクト関連が入っています。これはそのまま
Visual Studioでソリューションとして開いて利用できます。
「proj.win32」フォルダWindowsの一般的なデスクトップアプリのプロジェクト関連が入っています。これもやはり
Visual Studioで開いて使えます。
「Resources」フォルダリソースファイル(イメージファイルなど)がまとめられています。
――見ればわかるように、「プロジェクト関連のフォルダ」と、「それ以外のフォルダ」に分けて考えることができるでしょう。
■プロジェクトフォルダの役割
これを見て、「げっ、それじゃ
iPhoneと
Androidのアプリを作ろうと思ったら、2つのプロジェクトそれぞれにプログラムを書いていかないといけないんだ」と思ったかもしれません。が、それは間違いです。
それぞれのプラットフォーム用のプロジェクトフォルダは、いわば「プロジェクトの入れ物部分」なのです。実際に作成するプログラムのソースコードは
「Classes」フォルダに、必要なリソースファイルは
「Resources」フォルダにまとめられます。
どのプラットフォーム用のプロジェクトも、すべてこの「
Classes」と「
Resources」の中身がリンクされており、これらを元にアプリが生成されるようになっているのです。従って、「
Classes」にクラスを、そして「
Resources」に必要なリソースファイルを作成するだけでいいのです。
また開発するプラットフォームが既に決まっているなら、そのプラットフォーム用のアプリを作成する開発ツールでプロジェクトを開き、編集することもできます。例えば、Windowsのアプリなら、「
proj.win32」フォルダ内にある「
MyCocosApp.sln」ファイルをダブルクリックしてVisual Studioを起動し、編集・実行すればいい。MacやiOSなら「
proj.ios_mac」フォルダを開いて「
MyCocosApp.xcodeproj」をXcodeで開けばいい、というわけです。
こんな具合に、プロジェクトさえできてしまえば、後は普段使っている開発ツールでそのまま編集することができる、というのもCocos2d-xの大きな特徴です。LuaやJavaScriptを使う場合は「
Cocos Code IDE」という専用開発ツールが用意されていますが、C++で使う際には、自分で開発ツールを用意して下さい。