では、GAEのアプリケーションというのは、どのように作成するのでしょうか。これは、実は非常に単純です。フォルダを作成し、その中に必要なファイルを配置するだけなのです。
必要なファイルというのは、実は1つだけです。それは「
app.yaml」というファイルです。このファイルを用意することで、そのフォルダをGAEのアプリケーションとして実行したりデプロイしたりできるようになります。
この
app.yamlというファイルは、アプリケーションに関する詳細情報を記述したテキストファイルです。YAMLと呼ばれる半角スペースでインデントをつけた形式でデータを記述します。これは以下のような形になります。
application: アプリケーション名
version: バージョン番号
runtime: php
api_version: 1
handlers:
- url: 公開アドレス
script: スクリプトファイル
- url: 公開アドレス
static_dir: フォルダ
最初の4行は、必須項目です。
application:には、公開するアプリケーション名を指定します。これは、GAEのサーバーに用意されているアプリケーション名でなければいけません。GAEはデプロイ時に、この
application:に指定されたアプリケーションにファイルをアップロードするようになっています。
version:は、このWebアプリのバージョンです。これは任意の値で構いません。
runtime:は、PHPを使う場合には必ず「
php」を指定します。また
api_version:も現時点では「
1」にしておきます。
url:とscript:について
その後にある「
handlers:」というのは、設置したPHPのスクリプトファイルと、それの公開アドレスを記述するものです。この
handlers:の後に、ファイルのアドレスへのマッピング情報を記述していきます。
まず、「
-url:」というところにアドレスを指定し、その後にある「
script:」でファイルを指定します。これにより、
-url:にアクセスすると
script:のスクリプトが実行されるようになります。この
-url:と
script:のセットは、必要なだけ記述できます。
注意して欲しいのは、「
script:の前には半角スペース2つがつく」という点です。YAMLでは、半角スペースによるインデントでデータの構造を保っているのです。
-url:とstatic_dir:について
もう1つ、「
-url:」の後に「
static_dir:」というものを記述することもできます。これは「静的ファイルの設置フォルダ」を示すものです。
Webでは、スクリプトファイルだけでなく、静的なファイル(JavaScriptのスクリプトファイルやスタイルシートファイル、イメージファイルなど)も多数利用されます。こうした静的ファイルは、この
static_dir:で指定したフォルダの中に配置することで、
-url:のアドレス下に配置されているものとしてアクセスできるようになります。
この
app.yamlファイルと共に、
script:で指定したスクリプトファイルを用意するだけで、Webアプリケーションとして扱えるようになります。では、実際に簡単なサンプルを作ってみましょう。
適当な場所にフォルダを作成し(ここでは例として「php-app」というフォルダをデスクトップに用意しました)、その中に「
app.yaml」ファイルを作成してください。そして、下のリスト欄のように中身を記述しましょう。今回は静的ファイルはないので、スクリプトファイルのマッピングのみ記述してあります。